2025.03.29
第15回LS21勉強会
本日は中村知事主催の政策立案勉強会LS21に参加してきました。
2025年は【人口減少】にテーマを絞って深掘りです。
今日は『出産の現状から考えるSRHR』と題して
つばきウィメンズクリニック 産婦人科医・鵜久森夏世氏による
ご講演をいただき、その後、班に分かれてグループワークを行い
内容をプレゼンするという内容でした。


↑
私たちB班は松山選出の県議、檜垣君に託しました。
SRHRとはSexual and Reproductive Health and Rightsの略語で
日本語に訳すと「性と生殖の健康と権利」です。
以下、講演内容の概要です
①少子化の現状と背景
少子化の要因は「産む人の減少」と「産みたいと思わない人の増加」
不妊に悩むカップルは約4.4組に1組。不妊治療は進むが出生数の減少は止まらず
「産みたいと思わない理由」には経済的心理的負担やジェンダー格差、個人の価値観の変化などがある
②女性の身体と月経
女性の体は思春期から月経(妊娠準備)を繰り返す
月経随伴症状(生理痛やPMS等)で日常生活に支障をきたす女子生徒は非常に多い(松山市でも顕著)
生理痛は我慢すべきでない。治療やケアの啓発が必要
③妊娠・出産の現実
妊娠や出産は命がけであり回復にも時間とケアが必要
分娩施設は全国的に減少中。人材不足や経済的問題、医療訴訟リスクなどが背景
分娩費用は1件あたり約120万円。無痛分娩は日本ではまだあまり普及していない
④プレコンセプションケア(妊娠前の健康管理)
将来の妊娠や健康を見据え若い世代からの健康管理を行う考え方
東京都などでは助成もあり男性も対象
月経不順や低栄養、喫煙などの習慣が将来の母子の健康に影響を与える
⑤SRHRと包括的性教育(CSE)
SRHR:すべての人が性に関して自分で選ぶ権利を持つという考え方
CSE(包括的性教育)は生理・妊娠の知識にとどまらず人間関係・ジェンダー・同意・性暴力防止なども含む
日本では性教育が遅れているが宇和島市などでは先進的取り組みあり(例:中3生にコンドーム実習)
⑥分娩の集約化を
安全性を確保しつつ妊婦の負担を減らす方向
低リスクは助産院などで出産前後のケアの充実を
地方在住の妊婦には通院のための交通費の負担や分娩前の宿泊費などを自治体が補助することが望ましい
【結論】
•少子化対策には「産みたくても産めない」「産みたいと思わない」両方への支援が必要。
•プレコンセプションケア+SRHRに基づいた包括的性教育の普及が持続可能な社会の実現にむけた取り組みが重要。
個人的には⑥の分娩の集約化が心に刺さりました。
欲を言えばそれぞれの地域に産婦人科があり、その暮らす地域で診察や分娩をすることが出来ればベストですが、
産科医や分娩施設が激減してきている現状をしっかりと認識したうえで、よりベターな施策を講じることが求められています。
3時間と長丁場でしたが、非常に勉強になる有意義な勉強会でした。
